疑念は探究の動機であり、探究の唯一の目的は信念の確定である。

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読書感想#10: 水野和夫著『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』

今回は水野和夫の本を書評します。

 

 

閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済 (集英社新書)

閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済 (集英社新書)

 

 書評は適当にする。とりあえずアップする。

 

水野の著作はこれまで有名な『資本主義の終焉と歴史の危機』を少し読んだ程度しかない。まともに読んだのが本書である。

 

参考文献をしっかり書いていてよかったと思う。水野の博識はすごいし、もし水野みたいになりたいと思うならば、参考文献から興味のある本を選んでそれを読んだらいいと思う。

 

本書の内容は忘れた。だが、一つ言えることは水野の経済的・世界史的な立場は、独特である。「中世に戻れ」「日本はEUに加盟しろ」と主張するのである。

 

現在の主流派経済学に対するアンチというものがいる。水野もアンチ主流派であることに間違いはないのだが、アンチはアンチでも特殊である。別のアンチ(例えば中野剛志)と比較することは楽しい。水野に言わせれば「他のアンチはぬるい。今だに近代のパラダイムで考えている。中世に戻らなければ意味がない!」となるので、比較するとおもしろい。

 

経済史を紐解くと、これまでのような超低金利の時代は近代誕生の直前であった。だから、革命が起きるんだといった歴史主義を展開している。評者は歴史主義には反対であるため水野の主張の根拠を信じることはできない。物語としてはおもしろいかもしれないがそれ以上のものではないと思っている。

 

他に本書でガリレオニュートンによる近代科学革命の社会的影響について書かれていたことである。それは評者はなんとなく覚えている。あとは、超低金利はドイツと日本だけであった。だが、日本は選択を誤った。他方ドイツは正しかった。したがって今に至る。超低金利は時代の最先端であったので、日本もトップになる可能性があった。だが、.......と、ドイツと日本を比較していた。そういうのもあって「日本はEUに加盟しろ」と主張していたような気がする。「日本もアメリカも中国も帝国としてダメだ。まともなのはEUだけだ」と言っていたような気がする。あんまり覚えてないや。

 

まぁ、でもそんなものかな。歴史主義者の考え方がわかってよかったと思う。博学でお話としては面白いと思う。だが、「じゃあどうすればいいの?」という未来の話や実践の話となると途端に「中世に戻れ」だの「日本はEUに加盟しろ」だの非現実的なことしか言わない。と言っても、水野はあらゆる政策は「近代的であり全てダメだ」と否定しているから「もっと現実的のある政策を言ってくださいよ」と言っても無駄なのだけれども。

 

気が乗ればちゃんとした書評を書く予定である。

 

 

僕から以上