疑念は探究の動機であり、探究の唯一の目的は信念の確定である。

数学・論理学・哲学・語学のことを書きたいと思います。どんなことでも何かコメントいただけるとうれしいです。特に、勉学のことで間違いなどあったらご指摘いただけると幸いです。 よろしくお願いします。くりぃむのラジオを聴くこととパワポケ2と日向坂46が人生の唯一の楽しみです。

愚痴: 家庭教師のアルバイトをして思ったこと。

どうも僕です。
今回は愚痴です。
家庭教師のアルバイトを一年近くおこない、最近辞めました。ですので、ここで愚痴だったり私が感じたことを書きたいと思います。

家庭教師のメリット・デメリット

私は教師関係のアルバイトは家庭教師しかしたことがありません。ですので、塾の先生と比較することができません。

家庭教師のメリット

家庭教師のメリットは箇条書きをすれば次のようになると思います。

  • 週1回から始められること
  • 時間の調整が容易であること

通常のアルバイトは最低でも週3回ぐらいしなければなりません。週3回や4回が当たり前であり、週2回はおそらく難しいと思います。しかし、家庭教師や塾のアルバイトは週1回から始めることが容易だと思います。「お金は少なくていいからあまりアルバイトに時間をかけたくない」と考えている大学生には家庭教師か塾のアルバイトがいいと思います。

しかし、塾のアルバイトは時間が常に固定されています。例えば、月曜日の午後6時から1時間半の授業を週1で行うというアルバイトがあるとします。そうなると、毎週月曜日のその時間帯には仕事に従事しなければなりません。固定された時間を移動させるのは難しいと思います。
対して、家庭教師のアルバイトは時間の変更が容易です。相手の生徒さんに時間の変更を連絡して、承諾を得ればいいからです。例えば、就活で都市に行かなければならず1週間ほど地元に戻れない場合、家庭教師ならば事情を伝えていつもの時間ではなく、別の時間に変更してほしいと連絡すれば容易に変更できると思います。これならば就活をしながらアルバイトも可能となります。
しかし、この流動性は生徒さんも同様です。つまり、直前になって生徒さんから「時間を変更したい」や「授業をキャンセルしたい」と言われることもままあります。そうなると、その分お金がもらえないのでそこは少し大変です。

家庭教師のデメリット

反対に家庭教師のデメリットは箇条書きをすれば次のようになると思います。おそらくメリットより多いと思います。

  • 生徒さんは基本的にできない
  • 移動が大変
  • 時間の割にお金は少ない
  • 生徒さんとのマッチングが難しいから、持てる生徒さんは少ない
  • 直接クビを言い渡される

まず、そもそも家庭教師に通う生徒さんは、----よく言えば---- 学校の成績が低いです。成績が低いから家庭教師をつけてなんとか平均点まであげようとしています。悪く言えば、生徒さんは基本的にバカです。勉強熱心で優秀な生徒さんと巡り会うことはほとんどありえません。多くの生徒さんは「このぐらいはできるだろう」と思っていても、その下を優に超えます。数学用語を用いれば、「バカは下に有界ではない」です。さらに自分が思っていない間違いを平気でします。
そこに初めて「理解不能な他者」が現前します。
生徒さんが出来なくても怒らないようにしても最初はなかなか難しいです。「あんた、こんなのも出来ないの?」とつい問い詰めたくなります。実際、そのように問い詰めてしまい失敗しました。
  実は、生徒さんが「頭が悪い」ことはそれほど問題ではありません。むしろより深刻なのは生徒さんが不真面目であり宿題をしなかったり授業に集中できない----そのような生徒さんです。幸い、私はそのような生徒さんに直面しませんでした。みなさん真面目でした。不真面目な生徒さんをどのように成績をあげればいいのか、ちょっと分かりません。
  指導の方針は生徒さんに対して基本的に「怒らない・褒める」です。たとえ問題を間違ったとしても決して怒ってはならず、出来たところを褒めたり、「じゃあ、もう一度一緒に計算してみようか」と催促してみたりします。もっとも、それがいいのでしょうけれども理想はなかなか難しいです。実際は、普通に「なんで出来ないの?」と聞いたり、「これ、この前勉強したでしょ? なんで何度も間違えるの?」と聞いてしまいます。ただ単に聞いているだけなのに生徒さんにとっては「問い詰められた」と思われるかもしれません。間違った解答を出した生徒さんに対して「はぁ~~」とため息をつくだけでも、生徒さんは傷つけられるかもしれません。細心の注意を払って教えなければならないことを、教えられました。
  本当に怒ることもあります。それで信頼を失い(というか生徒さんに嫌われ)、クビにされました。そのような経験も大切なのかもしれません。

次に移動の時間が意外にかかります。最初は生徒さんのお宅までの行き方に慣れなければなりません。私は初回に生徒さんのお宅にお邪魔する前に、自費でそのお宅に事前にうかがっていました。自分の家から生徒さんの家までの距離が近ければいいですが、そうでなかったら移動は大変です。近くても移動は大変だと思います。

そして、他のアルバイトと比較したら時給は高いと思いますが、移動時間や準備などを含むと家庭教師の時給は高くないと思います。

家庭教師のアルバイトをするとき、どのような教科を教えられるか聞かれます。そのとき例えば「数学」だけなどの一教科のみならば、数学を教えてほしい生徒さんとマッチングする可能性が少ないです。たとえ5教科中3教科以上教えることが可能だったとしても、基本的に生徒さんとマッチングする可能性は高くありません。しかし、これは家庭教師の会社によるかもしれませんし、地方と都市で事情が異なるかもしれません。
  一時間の時給は高いかもしれませんが、教える生徒さんが少なければもらえるお金は思っているよりも少ないと思います。単純な肉体労働ならばバイトの時間を容易に増やせますので、たとえ時給が少なくてもお金は結構もらえます。対して、家庭教師のアルバイトは容易に時間を増やすことができませんので、そこは不利かもしれません。
  お金を増やすためには、
1) 教える生徒さんの数を増やす
2) 一人に教える生徒さんの授業数を増やす
の方法があります。しかし、二つともなかなか難しいと思います。もしかしたら親御さんを説得させて授業数を増やすことは可能かもしれませんが、この理由から家庭教師のアルバイトはあまり稼げないと思います。対して、もしかしたら塾講師の方が稼げるかもしれません。

最後に、家庭教師はクビを直接言われます。もっとも生徒さんや親御さんから直接クビを宣告されません。あくまでも塾の上司から言われます。しかし、実質的に直接宣告されます。結構キツイです。
  ある生徒さんの場合、一発でクビを言い渡されました。「はじめまして。よろしくお願いいたします」と挨拶してから、一時間分授業をしました。と言っても、これから何を勉強するのか、どのくらいのレベルなのかと言ったことを聞いただけです。初回なので相談だけでした。ご両親からは一ヶ月分の交通費をもらったので「よし、これで最低一ヶ月は教えることができる」と思っていました。しかし、帰り道に会社から電話が来て、クビを宣告されました。「たった一回、それもほとんど何も教えてないのに、なんで....」と途方に暮れました。
対して塾講師ならば、一人二人に嫌われても大して問題ないと思います。家庭教師のアルバイトにおいて生徒さんやその親御さんとの信頼関係を築くことが何よりも大切です。

家庭教師へのアドバイス

これから家庭教師をしようと思っている方に私からアドバイスします。

  • 生徒に媚を売らず親に媚を売れ!

生徒さんに対して優しく接して、親切することはもちろん大切です。しかし、むしろ大切なのは子供ではなく親の方です(そう先輩が言っていました)。結局、親がお金を払っているので、親といい関係を結ぶことが大切とのことです。
  「親に媚を売れ」と言っていますけども、何も下手に出るということではなく、「ご両親と綿密にコミュニケーションをとれ」ということです。玄関に入ったら、まず親御さんに今日おこなうことを話す。授業後には今日おこなったことを話す。どこが苦手でこれからどう勉強するか対策を話す。このようなことを丁寧に話せということです。さらに、もし試験対策に失敗したならば、失敗した原因を話す。例えば「この前の試験問題はこのようなものが出ると考えて、対策をしましたが実際にはそのような問題が出ませんでした。予測が外れてしまい申し訳ありません。」と弁明するべきとのことです。幸い、私は一度も普通の生徒さんを教えたことがないのでなんとも言えませんが、先輩はそのように対応したとのことでした。というのも、たとえ学生のアルバイトだったとしても親御さんは教師に対して「成績を上げさせる」ことを求めています。結果がともわなければクビにされるのは当然とのことです。そのため、ちゃんと理由を言って弁明しなければならないとのことです。テスト返却前までに親御さんとの信頼関係ができていなければ、一発の失敗(生徒の成績を向上させられなかったこと)で、クビにさせられる可能性が高いです。

最後に: 感想

  勉強の結果は当然ながら家庭教師の力量だけで決まるわけではありません。生徒さん本人の努力や親御さんの支えが必要不可欠です。生徒が真面目に取り組んでいないにも関わらず、成績が上がらないからということでクビにさせられるかもしれません。かなり理不尽ですがそのような経験も大切なのかもしれません。そういうときは同僚や仲間に愚痴を言って解消するしかないと思います。家庭教師の経験は、私にとってかなり大きなものとなりました。いろいろ考えさせられました。例えば「こんなイヤイヤで勉強する必要があるのか」「教育の平等が正しいと考えていたけれどもそれが本当に正しいのだろうか。生まれつきできない人もいるのではないか。そんな人たちに教える意味や価値があるのだろうか」「子供ができないのは子供の責任ではなく親の責任ではないか。子供が勉強できないのは、親の遺伝的な先天的な問題ではなく、親が体たらくで勉強させる環境ではないような後天的な問題ではないのか」------このようなことを考えさせられました。
  私は「人に教えることの喜び」や「生徒さんがわかったときの喜び」などは結局、感じることができませんでした。大変なことばかりであり、なかば「これはお金のため。そのためクビにさせられないように頑張ろう」と割り切って教えていたからだと思います。失敗もいい経験でしたし、人に教えることの難しさも痛感しました。読者のみなさまもこの記事で何か参考になってくれれば嬉しいです。



僕から以上