疑念は探究の動機であり、探究の唯一の目的は信念の確定である。

数学・論理学・哲学・語学のことを書きたいと思います。どんなことでも何かコメントいただけるとうれしいです。特に、勉学のことで間違いなどあったらご指摘いただけると幸いです。 よろしくお願いします。くりぃむのラジオを聴くこととパワポケ2と日向坂46が人生の唯一の楽しみです。

数学

固有値と固有ベクトルのメモ

固有値と固有ベクトル 複素ベクトル空間 実ベクトル空間 が行列 の固有値であるための必要十分条件は である。 証明 とする。つまり は固有値であり、 は固有ベクトルとする。 とおき、 とする。仮定より、 である。 より、 は1次従属である。したがって、 …

多様体上の微分形式についての覚書

多様体上の微分形式について簡単にまとめる。これは単なるスケッチであり、細かい議論はしない。というか私もまだわかっていないし、だいぶ多様体について忘れてしまったので、詳細は書くことができない。 多様体論の前提 微分形式の前提 ベクトル場と微分形…

実対称行列の対角化について

次行列 の対角化についてまず最も簡単なケースは固有値がすべて異なっているときである。そのときは行列 が存在して が成り立つ。 は固有値である。 しかし、一般に固有値が重複しているとき問題は複雑となる。結局それはJordan標準形の議論になる。 しかし…

数学の抽象と具象: 具体例は抽象化される。

数学を学んだり研究したりする上で、具体例の重要性について議論されていた(主にネット)。数学以外の一般的な議論においても、抽象と具象の行き来が重要だとどこかに書かれていた(気がする)。「抽象」は「曖昧」とか「わかりづらい」と悪い意味で使われがち…

反変ベクトルと共変ベクトルについて

概要 反変ベクトル(contravariant)と共変ベクトル(covariant)を解説する。これらは直行基底のときは区別はない。が、一般のテンソルには区別が必要である。 完全に自分のためにノートです。あしからず。 基底の変換とベクトルの成分(座標)の変換を比較して、…

数学におけるアイディアとコンセプト

多くの人は数学は難しいと思われている。だから、いつの世もどこでも数学嫌いが多い。 確かに難しい。だが、数学を学んで私が思うことは「数学のアイディア自体は難しくなくシンプルである」ということである。例えば、微分のアイディアは接線であったり速度…

縮小写像とその応用 (2) 微分方程式の解の一意存在定理の証明①

概要 今回と次回の記事は前回の縮小写像の原理の応用である(前回の記事はこちら)。それは微分方程式の解の一意存在定理の証明である。 今回は、存在定理を明示して、証明のアイディアを述べる。最後に証明のために必要な準備を行い、この記事を終える。完全…

位相空間論入門: 連続とは何か

概要 位相空間論(Topology)とは連続の幾何学である。それでは「連続」とは何か。ここで我々は直観的な連続性から公理的なものへと概念化をする。つまり、高校のときに勉強した連続の定義から位相空間での連続の定義へとつなげる。 Version 2: 2019/08/29 記…

縮小写像とその応用 (1) 縮小写像の原理

概要 完備距離空間の良い応用例として縮小写像がある。その縮小写像は汎用性があり色々なところで応用されている。例えば、微分方程式の解の存在性と一意性を証明するときに、縮小写像の性質が使われる。今回は、完備距離空間の定義からはじまり縮小写像を定…

変分法のすべて --- 大いなる道のりへの方針

私は変分法(Variational Calculus/ Calculus of Variation)を勉強していました。というか、今も勉強しています。私は変分法が大好きです。いつまでやっても飽きないです。ゲルファント・フォーミンの『変分法』が私の人生を変えた本の一つです。 いつか変分…

数学とは何か。それは線形の科学である。しかし...

数学とは何か。H. Weylは「数学とは無限の科学である」と言った*1。 これまでそれを自分なりに考えていた。ある時「数学は線形の科学である」と悟った。それは線形代数を勉強していたときだったと思う。 「数学とは線形の科学である」という信念を一つの哲学…

今日も話題は何もない

今日もネタは何もない。お腹が痛い。 最近からソ連時代の数学書籍を毎日少しずつ勉強している。それは3冊で、И. М. Гельфанд и С.В. Фомин, Вариационное Исчисление А. Н. Колмогоров и С. В. Фомин, Элементы Теории Функций и Функционального Анализа И.…

数学の一般化について: 一次関数と比例の簡単な例を用いて

サボり記事第二弾 予約投稿する。1/30, 23:59 うまくいくといいんだけど。 今回は数学の一般化について、一次関数()と比例()の例を用いて議論したいと思います。

数学の哲学の4つの諸問題: 数学の哲学超入門

概要: 数学の哲学には4つの諸問題があると思われる。それは(1) 数学の存在性 (2) 数学の真理性 (3) 数学の有効性 (4) 数学の社会性である。これらの問題はそれぞれ重要であり、さらにこれらの問題は相互に関係している。数学の哲学は単純に言えばこれらの問…

読書感想#3: 深沢真太郎著『数学的コミュニケーション入門 「なるほど」と言わせる数字・論理・話し方』『「伝わらない」がなくなる数学的に考える力をつける本』

こんにちは。どうも僕です。 今回はビジネス数学のエキスパートである深沢真太郎さんの『数学的コミュニケーション入門 「なるほど」と言わせる数字・論理・話し方』と『「伝わらない」がなくなる数学的に考える力をつける本』について書評したいと思います…

シンプレクティック幾何学について今年までに理解したいこと。

私は現在、シンプレクティック幾何学の論文を読んでいます(Viterbo: An Introduction to Symplectic Topology thorough Sheaf Theory)。この論文は2部構成となっていて第一部がシンプレクティックで、第二部が層の理論(圏論)を扱っています。去年までシンプ…

圏論(Category Theory)についての覚書: 圏論の基礎を整理する(1): はじめに

どうもこんにちは。今回は圏論(Category Theory)のことをまとめていきたいと思います。圏論を使いさまざまなことを研究するためにそれの基本を手っ取り早く学びたいかたは多いかと思います。そこで圏論の基本的な概念や定理は何なのかという見取り図を書きた…

経済学における数学の適応可能性について。ある経済学者の文章を読んで私が思ったこと。

どうも僕です。 これまで私は気になった雑誌のページなどをコピーして現物を保存していました。しかし、ペーパーレスに目覚めてしまいましたので、最近それらの文章をデータ化しようとしています。要はそれらの文章をパソコンに打っています。 今日はその中…