しばらくアーベル圏について勉強していたのでそれをまとめる。
ただし、まだ三角圏・導来圏は学んでいないのでそれらは知らない。
まずこれらすべての圏は加法圏(additive category)の特別なものである。
したがって、まず加法圏やさらにそれよりも広い概念であるプレ加法圏を学ぶ。
加法圏では複体(complex)やホモトピー(homotopy)などが定義できる。
アーベル圏において次のことを学ぶ。
- アーベル圏の定義 [1], [2], [3], etc.
- アーベル圏における基本的な性質(e.g. モノモルフィズムでエピモルフィズムの射は同型射である) [1], [2], [3], etc.
- アーベル圏でのプルバック・プッシュアウトの定理 [1], [8], etc.
- 完全列(exact sequence)の定義とその基本的な性質 [1], [2], etc.
- アーベル圏上の完全列に関する古典的な補題; e.g., 蛇の補題(the snake lemma)や5項補題(the five lemma)など [1], [2], [8], etc.
- 完全関手(そのためには加法関手を勉強する)の定義とその性質 [1], [2], etc.
- アーベル圏の局所化(localization): 環の局所化の圏論ヴァージョン。局所化は加法圏のもある。[1], [3], etc.
- Freyd-Mitchellの埋め込み定理: 任意の小さなアーベル圏はある加群の圏に埋め込むことができる。[3], [8], [10]
- ホモロジー代数: Cone, Canonical triangle, ホモトピー圏, Injective objects, Abelian categories enough injectives, 分解(resolution)など [1], [7], [8], [9]
- グロタンディーク圏: アーベル圏にさらにある条件いわゆる(AB5)が付け加わった特別な圏。グロタンディーク圏における有名な定理のひとつに関手に関する定理Gabriel-Popescu定理がある。[3], [4], [8]
- 森田理論(Morita equivalent): 圏論的考えを代数学(環)に応用した理論。森田理論はアーベル圏上から三角圏、導来圏上と拡張される。[1],
だいたいこんな感じ。
これから毎日これらのことを書く。まだ具体例はよくわからないので抽象的であるが、ギャップなく書くのでお願いします。
参考文献
[1] 中岡宏行 『圏論の技法』
[2] 河田敬義『ホモロジー代数』
[3] 清水勇二『圏と加群』
[4] Popescu, Abelian categories with applications to rings and modules
[5] Mitchell, Theory of categories,
https://www.maths.ed.ac.uk/~v1ranick/papers/mitchell.pdf
[6] P. J. Freyd, Abelian categories,
Abelian Categories
[7] Kashiwara and Schapira, Sheaves on Manifolds
[8] Kashiwara and Schapira, Categories and Sheaves,
https://www.maths.ed.ac.uk/~v1ranick/papers/kashiwara2.pdf
[9] Iversen, Cohomology of sheaves
[10] Swan, Algebraic K-Theory
僕から以上