疑念は探究の動機であり、探究の唯一の目的は信念の確定である。

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立ち読み書評#1: 舛添要一『ヒトラーの正体』

どうも、僕です。
ブログの更新を怠っています。今月も何も書かず、月末直前に急いで書いています。

さて、最近、毎日本屋で立ち読みしています。そこでいろいろ読んでいます。タダでいくらでも読めるので、節約できて楽しいひと時を送れます。
今回は立ち読みで読んだ本を紹介したいと思います。
それは舛添さんの『ヒトラーの正体』です。

ヒトラーの正体 (小学館新書)

ヒトラーの正体 (小学館新書)

これまでヒトラーのことは全然知らなかったので、ヒトラーの生涯や、権力を掌握できたまでの過程を知れてとても為になりました。入門書にふさわしい内容だと思います。おもしろかったです。

立ち読みですので、記憶は曖昧ですし細かい情報は書くことはできませんので、ご了承ください。
感想:
ヒトラーが国のトップになったのも、偶然が重なったり、ほかの人たちの思惑などがあったからできた。ヒトラーが国際情勢で暴走できたのも、ほかの国の人たちの思惑があったからである。チェンバレンの対ナチス宥和など。彼らは共産主義対策としてヒトラーは使えると考えられた。フランスの弱腰外交など。ヒンデンブルクは反民主主義だったそうで、だからヒトラーを支持していたとか。
ヒトラーは最初、友好的に相手に振る舞う。しかし、それで相手を油断させといて、一気にやるのが常套手段であった。特に、ドイツオリンピックの時は、そのときまではユダヤ人に対して友好的な対応をしていた。しかし、オリンピックが終わるのと同時に(翌日から)、再びユダヤ人に対する差別的な政策を加速させた。アインシュタインナチス政権が出たすぐに(2ヶ月後)亡命した。


舛添さんが40年前にドイツに留学した時に、ナチス時代を知るおじさんが「ナチス時代はよかった」と回想していた。それが不思議でならなかった。さらに、オーストリア(ウィーン)にもそのようにナチスに肯定的な人たちもいた。
この原因は何か。それはヒトラーによる大胆な経済対策による国民生活の向上である。3つの経済対策で失業者を減らした。

  1. ケインズ的な公共事業により失業者を減らして仕事を与えた。特にアウトバーンの公共事業で失業者に仕事を与えた。
  1. 減税による経済の活性化。
  1. そして見かけ上失業者を減らすトリック(女性を家庭に入れることによって、彼女らを失業者の定義外にするなど)。


他にもナチスは労働者に対して休暇対策を実施した。普通の人たちが休暇を利用して海外旅行ができるようにした。そのような積立金の仕組みをつくった。各家庭に車を持たせるようにした。フォルクスワーゲン(Volkswagen: 国民車)をポルシェに作らせた。

要はヒトラーは大戦後のボロボロになったドイツ経済を立て直した。
ヒトラーは国民から圧倒的に支持された。ドイツ国民はもちろんのことオーストリア国民もヒトラーを救世主のごとく熱狂していた。独墺合邦(Anschluss)は支持された。戦争が始まる前までは平和裏に土地を復権した(強奪した)。

しばしばドイツでは直接選挙がおこなわれ、ヒトラーヒトラーの政策の支持率は98%などであった。基本ほぼ100%だった。そう考えると「民意」というものはほどほどがいいのかなと思った。支持率60%ぐらいがちょうどいいのかなと思った。熱狂的な支持は疑ってみたほうがいいのかもしれない。

ヒトラーゲッペルスプロパガンダ効果やドイツの国民性も問題だったかもしれない。だが、それだけでヒトラーが(圧倒的に)支持されたことは片づけることはできない。


ほとんどは客観的な淡々とした語り口であり、わかりやすかった。ところどころにヒトラーの時代と現在の類似性を指摘したが、それらの主張は紋切り型でつまらなかった。

あとがきに「本書に書ききれずに削除された箇所がある」とあった。それをいつか世に出すらしい。早くも次回作に期待。




僕から以上