疑念は探究の動機であり、探究の唯一の目的は信念の確定である。

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立ち読み書評#4: 黒川伊保子『女の機嫌の直し方』

立ち読み書評第四弾。
今回は黒川伊保子さんの『女の機嫌の直し方』です。

書評というよりも今回は書評を借りた愚痴です。


本書は男性脳と女性脳の違いを指摘して、「女性脳にはこのように対処すればよい」というのをエッセイの形で述べられています。
ここで「エッセイの形で」というのは、ダラダラと話題があっち行ったりこっち行ったりしていることを言います。話題が脱線します。
p.120(またはp.140だったかもしれません)に、「女性の話題はとかく脱線しがち。ダラダラと話を行ったり来たりする」というような箇所を見て爆笑しました。「お前のこの本もまさしくダラダラと書いて、話題もあっちこっち行っているじゃないか!! 自身が体現しているじゃないか!!」と。

それに書き方もかなりフランクです。話し言葉に近く、いい意味では「親しみやすい書き方」ですが、悪い意味では「『ですます』でも『である』でもない統一性のないひどい書き方」です。この文章には人の好みがあるかと思います。そこは1つ注意してください。

女性脳はとにかく「共感」が大切だそうです。悩み相談をされたとき、「解決方法」は二の次だそうです。あと「結果」よりも「過程」を重要視するとのことです。男性脳はその逆で、悩み相談をされたら「共感」よりも「解決方法」を提示してほしいし、「過程」よりも「結果」が重要視されるそうです。

男性脳と女性脳の違いを理解した上で、「どのように対処すればいいのか」という具体例が書かれています。例えば、妻が「腰が痛い」と言ったときは、「病院に行ったのか?」と解決策を言うのではなく、「腰が痛いの? それは大変だ」と共感の言葉を与えることがいいといった具合です。


黒川さんは最近メディアに出てきた人だと思っていたので、本を読んだのですが、実はかなり前(20年ぐらい前)から著作を書いていたそうです。そういう著者の個人史を知れたことはよかったと思います。


以下愚痴:
男性が女性に謝るとき、「君がそこまで辛かったなんて気づかずにごめんね」と言えと書かれていた箇所がありました。「そんなに大変だってことに気づかずに」というワードは女性にとっては重要だそうです。その箇所を読んだとき、「会社を辞めたい」と私が上司に相談したとき、上司が「君(評者)が、そんな大変なことを思っていたなんて、それに気づかずにごめんね」と言われたことを思い出しました。
こっちが「気づいて」アピールをしなかったので、こちらが悪いにもかかわらず、「気づかずにごめん」と言われたとき、(私はもちろん男ですが)、なんだか少しほっとした気持ちを抱いたことを思い出しました。女性もそんな感じで気づいてほしいのかなと思いました。

たいして、父親に「会社を辞めたい」ことを相談したときに、共感も解決策も提示せずに議論されたときはさすがに腹が立ちました。

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私「深夜のコンビニで週6で働くフリーターのおじさんを見てこう思ったよ。『これからも毎日飯を食うために働いて、何の生きがいもなくただただ生きなければならないなんて、なんて惨めだな』と。そういうふうにはなりたくないと思ったよ。」

父「わからないよ。その人も実は掛け持ちで働いているかもしれないじゃないか? 何か目的があって、そのためにダブルワークしているのではないか?」

私(.....知るかよ、そんなこと。俺はお前と議論したくて言っているんじゃないよ。しかもそんな不可知なことで反論されてもさ。これ以上何も言えないじゃないか。)

私「かと言って大企業に働けばいいのか。確かに社会的地位や収入はいいかもしれないよ。けど、そこの課長さんを見て、こう思ったよ。課長さんは俺より早くに出社して、俺より遅くまで仕事している。たとえ大企業で安定した収入が得られたとしても、そこまで働き続けることが本当に幸せなことなのか。彼もフリーターと同じく惨めではないかと。そう思ったら、今の会社で働きたくなくなってきた。」

父「いや。本当にその課長さんは仕事が好きなのかもしれないね。一日中働きたいかもしれないよ。それに家庭に居づらいから、仕事しているのかもしれないよ。」

私(........だからさ....今はお前と議論したいんじゃないんだよ。一言「そうかもしれないな」と共感してほしいだけなのにさ....)

私「もういいよ。お父さんには何も相談しないよ。言っても無駄だし。」

父「言わないなんて卑怯だぞ!!! (キレる) 言えよ!! 父さんに話せよ!!!」

私(........だったら一言でもいいから共感しろよ、クソが!!! 俺は一体どうすればいいんだよ!!!)

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計り知れないほどの無能な父親と接したので、その翌日に上司に相談して、上司が共感してそれから対応策を提示したりしたのは雲泥の差がありました。

会社を辞めるような大きな悩みのときは、男も女も関係なく「共感」してほしいと思いますが、女性は常に「共感」されたいのだろうなと思いました。
そして、少しでも「共感」できる人になれればいいなと思います。少なくとも父親よりは。



僕から以上