疑念は探究の動機であり、探究の唯一の目的は信念の確定である。

数学・論理学・哲学・語学のことを書きたいと思います。どんなことでも何かコメントいただけるとうれしいです。特に、勉学のことで間違いなどあったらご指摘いただけると幸いです。 よろしくお願いします。くりぃむのラジオを聴くこととパワポケ2と日向坂46が人生の唯一の楽しみです。

数学の抽象と具象: 具体例は抽象化される。

数学を学んだり研究したりする上で、具体例の重要性について議論されていた(主にネット)。数学以外の一般的な議論においても、抽象と具象の行き来が重要だとどこかに書かれていた(気がする)。「抽象」は「曖昧」とか「わかりづらい」と悪い意味で使われがちである。「大臣の答弁は抽象的である」といった具合にである。一般的な議論は置いといても、少なくとも数学においては概念は他の学問と同様に抽象的である。そして(どこかに記事を書いたけれども)数学にはそれ特有の抽象性として、記号を用いた「抽象からの抽象」がいたるところに存在する。

最近、圏論を学んでいてひしひしと感じるのは、数学の具体例はしばしば抽象化されるということである。
例えば、同値関係を導入して、整数の集合 {\textbf{Z}} から有理数の集合 {\textbf{Q}} を構成する方法がある。それを抽象化して一般の可換環から分数環(商環)を構成する方法を得る。さらに、その分数環を圏論の分数化へと抽象する。そのときの手がかり(具体例)となるのは、抽象的な分数環となるのである。
他にも、最初は、アーベル群や加群は整数の集合などから抽象化された概念であった。しかし、それらに慣れたならば、次はアーベル圏へと抽象化される。さらにそれからアーベル圏の複体のなす圏 {\textbf{Chain}(\mathcal{A})} は三角圏の具体例となる。
このような具体例の抽象化は、数学概念だけにとどまらず定理もそうだと思う。はじめにピタゴラスの定理は抽象的なものであったが、それに慣れると今度はそれを一般化するような定理があるのではないかと思うだろう。それでついに余弦定理を得るのである。

物理学などの科学は理論と実験とがある。理論をつくったり法則を導いたりするだろう。そのプロセスは抽象である。他方で、実験して理論が正しいかどうかを検証する過程は具体である。科学のはじめは理論も素朴なものであり、マクロのものであった。しかし、時代が進むにつれて電気になったり電子になったり宇宙となったりどんどんと抽象化していった。はじめは原子は圧倒的な抽象物であったが慣れることによって、いまや当たり前の存在となり、それよりももっと小さい(抽象的な)対象物を研究材料としている。

数学も同様なのではないかと思い始めている。数学にも抽象(理論)の過程と同時に具象(実験)の過程もある。そして科学研究と同じように具象もどんどん抽象化していっていくのだろうと。
数学的対象や数学的現象は自然対象や自然現象とは異なり目に見えない。しかし、数学を学べばそれらはひしひしと肌感覚として感じることができるのだろう。そのようなまでに数学ができるようになりたいな。



僕から以上

今年の目標

2019年の目標

  1. 毎日書く。少なくとも年間で200個の記事を書く。
  1. 圏論の基礎をまとめる。圏・関手・自然変換・極限・随伴関手・カン拡張まで。ただしまだわからないところがあるので、その辺は適当にする。基本的にはAwodeyの教科書(Downloadable)を参考に書く。個人的にはAwodeyよりも、BorceuxのHandbook of Categorical Algebra 1 ~ 3が好きだから、それを参考にする。
  1. アーベル圏についての記事をまとめる。プレ加法圏から始めて、アーベル圏の基本的なことをまとめる。特別なアーベル圏であるグロタンディーク圏はやるかもしれないし、やらないかもしれない。三角圏や導来圏はするかもしれないし、しないかもしれない。基本文献は『圏論の技法』と『圏と加群』である。前者は丁寧に書かれていて、とても好き。対して、後者はあまり好きではない。前者にはグロタンディーク圏について書かれておらず、後者には書かれてあるので、後者は適当に取捨選択して、さっさと読み終えたら捨てる。
  1. 層とトポスを勉強する。Mac Lane and Moerdijk, Sheaves in Geometry and Logic (Downloadable)を読む。JohnstoneのTopes Theoryもできればする。
  1. 多様体についてまとめる。L. Tu, An Introduction to manifolds(Downloadable)が一番気にっているからそれを中心にまとめる。松本先生のは個人的にはあまり適さない。
  1. 多様体をまとめた後に、シンプレクティック幾何学をまとめる。Foundations of Mechanicsを勉強するから、それや他の教科書を参考にまとめる。いまだに疑問は残っているから、今年こそは少しでも解決したい。
  1. プログラミングもちまちま記事にする。 これからどのような言語を使うかわからないけれども。
  1. フランス語・ドイツ語・ラテン語を勉強する。特にフランス語は数学論文を読むために必須だから。ドイツ語もだけども。ポーランド語とハンガリー語も勉強する。
  1. 適当にロシア語をまとめる。ロシア語で書かれた数学書も読むかもしれない。
  1. 適当に英語をまとめる。数学英語もまとめる予定。
  1. 乃木坂やけやき坂の聖地巡礼の記事を書く。
  1. パワポケ2の記事を書く。


たぶん、目標は達成できないかもしれないけれども、ひとつでも達成できるように頑張ります。




僕から以上

ロシア語で「メリークリスマス」「よいお年を」「あけましておめでとう」を言う。

最近はロシア語しか書いていない。
今は忙しいから、数学の記事を書くことができません。
今回はロシア語で年末年始の言葉を書きたいと思います。
つまり、3つの言葉「メリークリスマス」「よいお年を」「あけましておめでとう」を書きます。

  • (1) メリークリスマス (С Рождеством!)
  • (2) よいお年を (С Наступающим!)
  • (3) あけましておめでとう (С Новым годом!)

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ロシア語で帽子を言うには? キャップ帽からロシア帽まで

どうも、僕です。
今回はロシアの帽子についてまとめたいと思います。
ロシア語でさまざまな帽子の言い方をまとめます。
ロシア旅行の際に、お土産でロシア帽を買うときもあるかもしれませんし、ロシアで生活しているときに帽子を買わなければならないこともあるかと思います。

  • 帽子
  • 色々な帽子の名称
  • ロシア帽の名称
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ロシア語で「髪を切りたい」と言うとき: 美容院はどこ? 予約してないけどOK?

今回はロシアで髪を切るときの最低限の表現をまとめます。
ロシアに長期に滞在していると、髪が長くなります。自分で切ればいいのですが、そうすることができない場合、現地の床屋に行って髪を切らなくてはなりません。
そのための最低限の表現を紹介します。すなわち、

  1. 美容院がどこにあるか教えてください。
  2. 髪切りたいです。予約はありませんが大丈夫ですか。

をまず紹介します。
オプションは適宜、書き足したいと思います。

  • 美容院がどこにあるか教えてください。
  • 髪切りたいです。予約していませんが大丈夫ですか。
  • まとめ
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「私は筆記体が読めません。普通に書いてください。」とロシア語で言うには?

どうも僕です。
英語も含めて私は基本、筆記体を書けませんし読めません。特にロシア語の筆記体は絶望的なものです。もっと素直に言えば、キ●ガイです。ええ。反論は認めません。これだけは。

在日ロシア人含めて、ロシア人にロシア語を教えてもらっているときに、ロシア語の筆記体を書かれたら、堂々と「私は筆記体を読めません。普通に書いてください。書かないなら、あなたをクビにして、別の講師に教えてもらいます。」と主張しましょう。その表現をお教えします。絶対に覚えましょう。
あと、旅行しているときに、紙に書いて意思疎通を試みるときに、相手が筆記体で書かれたら、「筆記体読めません。」と言いましょう。そのためにも必要不可欠な表現です。
それは次の通りです。

Я не могу́ чита́ть напи́санное от руки́.
(ヤー・二・マグー・チターチ・ナピーサニエ・オト・ルキー)
「私は筆記体が読めません。」


Пиши́те, пожа́луйста, печа́тными бу́квами.
(ピシーチェ・パジャールスタ・ピチャートゥニィミィ・ブークヴァミ)
「普通の文字で書いてください。(印刷された文字で書いてください)」

напи́санное は ру́сские слова́, напи́санные(ルースキエ・スラヴァー・ナピーサニエ)でもOKです。
けれども、長いので напи́санное のほうがいいと思います。

печа́тная бу́ква は「印刷された文字」です。その複数・造格形です(by: ~によって)


筆記体読めません」と先生に言っても、そいつが筆記体で書くならば「貴様、クビ」とか「おまえ、使えない」とか捨て台詞を言ってください。その表現はあまりわかりませんが*1

別に筆記体がわからなくても全く問題ないです。それがわからなくてロシア人に難癖をつけられたり、嘲笑されたり、説教されたら、「貴様だって、19世紀に書かれた筆記体、読めないだろ? プーシキン筆記体、読めないだろ? ロシア人のくせに」と言っとけばいいです。
別に、我々も坂本龍馬の手紙に書かれている文字も読めませんし、全くそれと同じです。わからなくても生きていけますし。日本語ができる外国人もみんながみんなひらがなやカタカナや漢字がわかるわけではありません。それでも別に日本語が話せるならば、それでいいのですし。


ロシア語の筆記体に興味があるなら、頑張ってください。私はそんなことに関わりたくないので、はっきり言います。あんな気狂いじみた筆記体を私は読めませんし、読みたくもありません。普通に書いてください、と。
10年もすれば筆記体を認識してくれるAIが登場してくるでしょう。それとももうすでにあるのかも。
それでは。



僕から以上

*1:「おまえ、クビ」は "Я тебя уво́лю!" かな。

追記: xymatrixによる可換図式のテンプレート

これまでxymatrixによる可換図式のテンプレートを書いた。その一連の記事は
Part I
Part II 
Part III
である。これらは少し読みづらいと思う。こちらの記事の方が見やすいと思う。適宜参照しても構わない。

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